投稿日時 2024-01-29 16:16:05 投稿者 宝輪 鳳空 このユーザのマイページへ お気に入りユーザ登録 |
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おれは夢を見た。 空は紫紺に染まっていた。 おれは十字路に立ち、はるか地平線を睨んでいた。 息を呑むような静寂から一転、つま先に広がる大地がぐらりと波打ち、木々と崖が崩れてゆく。 感じる、せり上がる地表の鼓動。 この地は生きている。 バリバリと放電しながら宙に舞う岩石と土砂。 それは猛る火山のように眼前に聳え立つ。 赤く目を光らせるその巨大な械獣と、おれは対峙した。 その巨獣は告げた。 《この星はいずれ滅びる。争いが絶えない》 《……それでもおれには……守りたいものがある》 《食われるぞ。やつらに》 《やつらとは……我らの祖》 《……そう。おまえが止めるんだ。この先の運命はおまえの心に懸かっている》 《おれの……心》 《我々が争うのをやめなければ……》 《どうすればいい? どうすれば》 おれは怯えながらも両手を広げた。 渦巻く赤い砂塵に巨獣は声を轟かせた。 《信じて……跳べ》 https://ncode.syosetu.com/n9702is/ |
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